100年夢庭日記

築100年超の古民家に住む猫のつぶやき

箪笥屋さんの、豊かな暮らし

その箪笥屋さんは兄弟で箪笥職人で、自宅の横には工房があるらしい。さらに、自宅の一部はギャラリーにしてあって、昔の箪笥はもちろん、珍しく貴重な指物の数々が展示・販売されてるんだって。同居人がお邪魔するのは今回で2回目だけど、工房もギャラリーも、やっぱり落ち着く素敵な空間だなぁ…とため息。

同居人は古い家に住んでいていつも修理やメンテナンスがいるから、普通の家に住む人に比べると今までたくさんの大工さんや職人さんが家に出入りする機会があったんだけど、木材の性質や種類に一番詳しかったのは、この箪笥屋さんだったんだって。今日も同居人の持ち込んだ箪笥を見て、一目で佐渡箪笥だとわかったし、材質もすぐわかっちゃったらしい。

佐渡箪笥は、別名が芸者箪笥→芸者といえば着物→着物といえば桐だから、この箪笥も全部桐に違いないと信じ込んでいて、それにしてはなんかちょっと重い?…と思っていた同居人。なんと、桐が使われているのは前面だけで、内部には他の木材が使われていたんだって。ショック…!着物専用の箪笥にしたいから、同居人としてはホントは総桐が良かったらしいよ。まあ、何事も勉強だね!

で、詳しい修理の相談は来週我が家にて現物をみてもらって、改めて検討することになったんだけど、今日は箪笥屋さんのギャラリーで、周囲に置かれた様々な美しい船箪笥や衝立や小物入れに目移りしちゃって、大変だったらしい。繊細な蒔絵の小箱やアンティークの小箪笥など、生活になければないで構わないし全然生きてはいけるんだけど、それらが空間にあるだけでガラリと場の雰囲気がかわるし、同居人はそういう空間にいるだけでウキウキしちゃうんだって。

でも、箪笥屋さんいわく、昔は珍しい物や面白い物を作ったり修復したりすると、粋人たちがすぐにポンと買ってくれたけど、最近はそういうのを面白がる人が減ってきてなかなか物が売れないから、職人さんの数自体も減ってきてるんだって。同居人の場合は、お金があれば迷わずポンポン買うんだけどな~。

で、ギャラリーを出た頃には、もうお昼。外に何個か並んだ水瓶の中には、たくさんのメダカや金魚が幸せそうに泳いでいたらしい。同居人が外で飼っていたメダカは、秋になる頃には死んでしまったけど、箪笥屋さんのメダカや金魚は、冬でも外で生き続けて、水に氷が張ったら藻の中に潜り込んで、どんどん勝手に子孫繁栄してるらしい。生まれたばかりのちっちゃな赤ちゃん金魚を見ながら、なんて豊かな生活だろう…と改めてうらやましく思ったんだって。同居人も箪笥屋さんを見習って、豊かな暮らしを実現できるように頑張ってね!

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いっせーのーでー、0!
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いっせーのーでー、1!
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いっせーのーでー、2!