この1ヶ月の間にたくさんの格安物件を見に行った隣人は、いつしか悟りを開いたらしい。それは、安い物件は、辺鄙な場所にあったり災害リスクが高かったり再建築不可だったり、そうじゃない場合は大抵リフォーム代がめちゃくちゃ高い…ということ。そして、美味しい話は投資家に先に話が行くため、そんなに掘り出し物の物件はないということも、ある不動産屋さんから聞いたらしい。
さらに、なかには、どうやったらこんなに汚く雑に、家に住めるのだろうか?と目を疑うような物件も少なからずあったらしい。床や壁がボロボロだったり、カビだらけだったり、元ゴミ屋敷で内見に来ているのに今でもゴミが軽く散乱していたり…
そういう話を隣人から聞いた同居人は、家は住む人の「人となり」や「家への思い入れ」が出るのだろうな、と思ったんだって。質素な家でも丁寧にメンテナンスしながら暮らせば気持ちの良い家になるし、外面ばかり気にして(あるいは予算的な問題で?)家の内部にお金をかけないと、家は内部からボロボロになるし、何かの歯車が狂って住人に余裕がなくなると家は全体的に痛んでいくし…長年大切にされてこなかった家に入ると、入っただけで一瞬でマイナスな気持ちになるらしい。
そんなこんなで、結局、家探しの予算を当初より100万円upして、上限ギリギリでなんとか隣人のための物件を探すことができた同居人。その家は、これまで長年貸家になってきた家で、値段が値段だから完璧というわけではないけど、少しのリフォームでなんとかなりそうで、隣人が見に行った中では一番印象が良かった家。これからは、隣人がそこに住みながら家に愛情をかけてお手入れして、そしてコロナが終わったら、同居人も時々様子を見に行って、DIYの手伝いをしたいらしい。
それで、「この家は手入れが行き届いていてるな」って、訪れる人々に思ってもらえるようにしたいんだって。隣人の新居への引っ越しは、梅雨明けくらいになる予定らしい。頑張ってね!