100年夢庭日記

築100年超の古民家に住む猫のつぶやき

  

クロユリの黒いお話・その3

 冬の北アルプスを越えてまではるばる会いに行ったのに徳川家康を説得することができずに、失意の内に富山に帰ってきた佐々成政。そこで耳にしたのが、愛する側室・早百合が成政の留守中に小姓と浮気をしていたという噂話。実はこれ、美しくて寵愛を一身に受ける早百合に焼きもちを焼いた他の側室が家臣と結託して流した作り話だったらしいけど、「さらさら越え」のあとでストレスマックスの成政にとっては大ショック。

早百合はちょうど妊娠中だったけど、お腹の子の父親も実は成政じゃないとか、早百合の部屋の前にこれ見よがしに小姓の持ち物が落ちていたりとかで、すっかり頭に血が上った成政。

問答無用で小姓を切り捨ててから、早百合の長い黒髪を持って外の榎の木のところまで引きずっていって、木に逆さ吊りにしてから、あんこうの吊るし切りのようにめった斬りにしたんだって。一説によると、この時ついでに早百合の親兄弟親族全員を処刑したとか。無実の早百合は、死に際に「3年後、立山にクロユリが咲いたら、佐々家は滅びるだろう」と呪いの言葉を残したそうな。これが早百合伝説。

ちなみに、この時の榎の木は、今も2代目が富山県にあって、軽く心霊スポットになってるらしい。なんでも、夜中に「早百合ー!」って叫びながらこの榎の木の周りをまわると、早百合の亡霊が出てくるとか出てこないとか…(TT)

さて、この話にはまだ続きがあって、「さらさら越え」の翌年、秀吉に降伏して全ての領地を取り上げられた成政だったけど、その後、秀吉から肥後の国の統治を任されて九州で再び大名になったんだって。成政は秀吉に気に入られるために、秀吉の正室である北政所に、大阪では珍しいクロユリを石川県の白山から取り寄せてプレゼント。「この花が白山のクロユリだとは誰も知りますまい」という成政の言葉を信じた北政所は、早速、城内の女性を招いたお茶会でクロユリを自慢。

すると、北政所とライバル関係にあった側室・淀君は、すぐにクロユリだと言い当て、さらにその数日後に開催した自分の茶会では、大量のクロユリを一番格下の竹の花器に、これまた卑しいとされるツツジ等の花と一緒に生けて、生け捨てにしてみせたらしい。恥をかかされたうえに、成政に騙されたと思いこんだ北政所は大変立腹。

やがて、九州における一向一揆の件で秀吉に切腹を命じられてしまう成政。それは早百合の呪い通り、早百合の死から3年後だったとか…。成政辞世の句は「この頃の 厄妄想を 入れおきし 鉄鉢袋 今破るなり」…意味はよくわからないけど、なんだか色々無念な感じが伝わってくる気がするよね。

だけど、この早百合伝説、ちょっと出来すぎな感じがするのは気のせい?そもそも、早百合の呪いでは「立山のクロユリ」と言っていて、北政所に送ったクロユリは「白山」ので、どうせなら統一しては?と思うらしい。さらに、最初の花を活けたのが千利休の娘で、このクロユリの件がやがて千利休切腹にも繋がるとか…そんな話になってきたら、盛り過ぎでしょ~と同居人は思うらしい。

あんこうのめった斬りの件や、お茶会の件も、織田信長に忠誠を誓って自分に素直に従わない成政を面白く思わない秀吉や、成政が去ったあとの富山を治めることになった前田利家が、前任者である成政の民衆からの評判を貶めるために広めた作り話の可能性が高いんだって。事実、淀君が側室になるかならないかの頃に成政は既に自害しているから、大奥の女の戦いに巻き込まれたりクロユリをプレゼントしたりは不可能。だいたい、そんなキャラじゃないよねって思うらしい。

かくいう同居人も、これまでは成政といえばあんこうの吊るし斬りの短気&暴君イメージしかなかったから反省。ちなみに、早百合が吊るされたと言われている榎の木は、当時の本丸からだいぶはなれた城の西側にあって、城の西側が整備されたのは成政が富山を去って以降のことだったらしい。早百合が処罰されたのはどうやら事実みたいだけど、皆殺しになったといわれている早百合の一族も、早百合に呪われて滅ぶといわれた佐々の一族も、それぞれ子孫繁栄。歴史は時に歪められるから、何が本当かはわからないよね。

実際、佐々成政は富山県では今でもヒーロー。統治していたのはたった4年間だったけど、治水治山に優れた手腕を発揮して、震災の時にはいち早く領内をまわって、治水工事の際の人身御供にも反対するなど、常に領内の民のことを考えていた人物だったらしい。冬のアルプスをのぼっちゃうあたり、100万石を守るために昼行灯を決め込んだ前田利家と違って、不器用で実直で一生懸命な人となりが伺えるから、今回同居人は一気にファンになったんだって。遠藤和子氏の著書『佐々成政』…読んでみようかな。

たぶん、その本にものってないことだけど、富山に行く前に佐々成政がいた福井県の小丸城には、マムシの巣があるらしいよ。城跡が誰かに荒らされないように、守っているのかもしれないね!

 

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クンシランの向こうは百合。だいぶ背が伸びてきたな~。ちなみに、佐々家(佐々成政の子孫)では百合は代々禁花らしい。

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よく咲いているオダマキ。

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萩がわさわさ生えてきた!

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サツキ?ツツジ?どうも花の付きが悪いな~。

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中央に黄緑色の蜘蛛!

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黄色いかわいいお花。

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タンポポではないよ。

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ちょっと私、風邪気味かも…明日はゆっくり休みますね!