どのお酒にどの食べ物が合うかっていうのをフランス語で「マリアージュ」とか英語では「ペアリング」とかって言うらしいんだけど、その言葉の響きから連想されるのは「結婚」や「夫婦関係」。
マリアージュやペアリングを追求していくと、素敵な夫婦の姿が見えてくる感じがするから、奥が深いな〜と思ったらしい。
例えば、数の子と赤ワインは、それぞれ単体なら美味しいのだけど、一緒に合わせると、それぞれの良さを見事なまでに打ち消しあってしまって最悪の生臭さを産む。これは科学的には、数の子にたくさん含まれるDHAなどの不飽和脂肪酸が酸化すると過酸化脂質になって、それがワインに含まれる鉄イオンとフェントン反応を起こして悪臭を発生させるっていう仕組みらしいんだけど、数の子は魚卵の中でもDHAなどの含有量がダントツに多いから、特に酷い生臭さになっちゃうみたい。
なるほどなあ…それぞれは素敵な人でも、2人が合わさると、各々の短所を引き出しあったり、長所を打ち消しあったり、2人が寄り添ってる感がまるでないような場合があるけど、数の子とワインはまさにそんな感じ。逆に、組み合わせによっては、各々の短所を補いあったり、長所をより引き出したりする理想的な二人もいるわけで、それって素敵だなって思ったらしい。数の子とクリームチーズだけだったら、そんな感じなんだけどな。
ちなみに、数の子にチーズなどの乳製品を混ぜると、ワインを飲んだときの臭みが和らぐとか、数の子をアボガドやポテサラと和えるとワインに合うとか、色々なアイディアがあるみたいだったけど、数の子クリームチーズは少なくともワインに合わなかったから、他の方法を試す勇気がまだないらしい。
そして、数の子を一途に愛する隣人は、「やっぱり普通の数の子の食べ方が一番美味しい!数の子クリームチーズも目を閉じたら美味しいけど、数の子とクリームチーズを見ちゃったら心理的に無理…数の子を何かと混ぜる食べ方がストレス」らしい。同じく、熟した柿におちらし粉を混ぜて練った地元の食べ方にも、「心理的に無理。フレッシュな柿をそのまま切って食べたい!」だってさ。そういえば、数の子を揚げるレシピがあったから、いつか作ってみようかな。隣人が卒倒しちゃうかも…