100年夢庭日記

築100年超の古民家に住む猫のつぶやき

幻の開高丼

蟹が解禁となり、毎日テンション高めの同居人。いや~、楽しみがあるっていいね!まだ11月とは言え、やっぱりお高いものだからそうそう簡単には食べられないけど、スーパーで蟹を見るだけでもワクワクしちゃうんだってさ。

なにしろ、小学生の時に親の都合で東京から北陸に引っ越すことになった際、家の柱にしがみついて「私だけ東京に残る~!」って泣いてたくせに、「向こうに行ったら毎日、蟹が食べられるかもよ~」って親に言われたらすんなり引っ越しちゃうくらい、無類の蟹好き。

さて、そんな同居人がここ数年ぜひ食べたいと思っている蟹料理があるんだって。それは、作家の開高健氏ゆかりの蟹料理で、その名も開高丼。これは、ご飯二合に対して、セイコガニ=雌の越前蟹(松葉蟹)を八杯も使った贅沢かつ巨大な丼。大食漢だった開高氏は、これを一人でペロリと平らげたみたいだけど、普通の人には無理だから、だいたい2~4人でシェアするのが通例らしい。

資源保護のため、越前蟹の雌は約2ヶ月間しか捕ったらダメだし、一杯の丼を作るのに多大な労力がかかるから一日に提供できる数にも限りがあって、とにかく予約をとるのが難しいんだって。案の定、今年もあっという間にお食事は完売。泊まりで食べるならまだ何日か空いていたけど、お値段が…

そんなこんなで、泣く泣く今年も諦めた同居人。諦めれば諦めるほど、開高丼への期待はさらに膨らんでしまうんだって!ちなみに、大きな雄の越前蟹は確かに食べごたえがあるけど、小さな雌の方が身の甘味が強くて、さらに濃厚なオレンジ色の内子と、プチプチした食感の外子がついてくるからお得!お値段も雄に比べるとだいぶ安いから、地元の人はほとんど雌ばかり食べるんだって。

いろんなお店で、雌の蟹の身と内子と外子を使った丼があるけど、開高丼を名乗れるのは福井県にある海辺の宿「こばせ」、ただ一軒だけ。開高氏は雌の甲羅の中身を海の宝石箱に例えて、「これをどんぶり鉢でやってごらんなさい」とすすめてるんだって。思わずよだれが…幻の開高丼、きっといつか会おうね!

 

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去年食べたセイコ丼(開高丼ではない)

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