昨夜ついに、雨に混じってバラバラとアラレが降る音が聞こえてきたらしいよ。でも5分ぐらいで止んじゃった。雷はまだだけど、先にアラレがちょっと予行演習的に降ってみた感じ?このあたりでは、「ブリ起こし」っていうすごい雷がまず鳴って、そのあとにアラレが降ってきて本格的な冬が始まるのがいつものパターン。私は北陸地方の雷、強烈すぎて苦手だな~。だって、雷で地面が地震みたいに揺れるんだもん…
ところで、昼間お仕事前に同居人がお庭の見回りに行ったら、マムシグサが地面に倒れていたんだって。実が重すぎたのかな。まあ、球根部分は地中に残ってるから、また春になったら突然生えてくるんだろうな。
マムシグサの実を良く見ると、熟した実が所々なくなっているから、もしかしたら小鳥がついばんだのかも。そう、マムシグサは基本的に有毒植物だけど、ねっとりと熟した実は小鳥たちの食糧になるらしい。相変わらず、同居人はつまんでみようとは思わないらしいけど。
あれは、オパ(うちの庭に遊びにくる雄のキジ)がよく庭にパトロールに来ていた頃だったから、今年の3月くらいかな…初めて庭にマムシグサを2本発見。地面からにょきっと伸びた芽は、細いタケノコみたいで、食いしん坊の同居人は、なんか柔らかそうで美味しそう♪と思ってあたたかく見守っていたんだって。(…食べなくて良かったね!)
ところが、4月の終わりには突然花が咲いていてビックリ。結局、タケノコとは似ても似つかないミステリアスな形状の植物になっていて、当初は名前も不明。隣人もまだ植物同定アプリを入れる前だったから、どうしても正体が気になった同居人が、花の形を手がかりに調べたんだって。
花は、見かけが水芭蕉やカラーみたいな形で、どうやらサトイモ科?とあたりをつけたら、サトイモ科テンナンショウ属の仲間だと判明。ただ、テンナンショウ属は種類が多すぎて、そこから先は写真と見た目の比較から、マムシグサ?と思ったらしい。茎のまだら模様がマムシに似てるとか、花の形が鎌首をもたげたマムシに似てるとか。
で、このマムシグサ、性転換する植物で、最初は花は咲かず、次に雄花が咲いて、状況に合わせて雌花が咲くらしい。うちのは一本は雌花で、もう一本が雄花。「小鳥」が種を運んできて、「至近距離」に「雄花」と「雌花」。受粉させるために、虫を惹き付ける匂いをだしてまず雄花に誘い、花の下部の隙間から外に出たら今度は雌花に誘導。雌花の方は、一度入ったらもう出られない構造になってるから、虫は出口を探して歩き回り受粉させ、花の中で息絶える…食虫植物ではないけど、同居人としては、ちょっと怖い頭の良さを感じてしまうらしい。
これだけ戦略的で意思の感じられる植物だから、もしかして、小鳥たちも操られているんじゃない?だから、同居人は本能的にこの赤い実を警戒してるんだって。ちなみに、マムシグサの球根は、飢饉の時には救荒植物として毒抜きをして食べられたり、アイヌの人にも毒としてあるいは食糧として利用されていたらしい。うちの庭には同じく救荒植物で毒のあるヒガンバナもあるから、飢饉の時も安心。あ、操られてる?!…いや、でもそれは相当な飢饉だから、そうなる前に、もうちょっと普通に美味しい植物をいっぱい植えておきたい…と改めて強く思ったんだって。賛成~!