100年夢庭日記

築100年超の古民家に住む猫のつぶやき

グロテスク考

同僚が、最近子どもたちの間で流行っているという漫画『チェンソーマン』をまとめて貸してくれたから、何の気なしに読み始めた同居人。秋の夜長、虫の声を聞きながら読み進めたら、どんどん眠気が吹き飛んじゃって、気がついたら一気読み。特に「闇の悪魔」の登場シーンの表現が圧巻。そんな同居人に付き合ってたら、私も今日はちょっと寝不足。まあ、これからたっぷりお昼寝するから良いけどさ!

ただ、その漫画、内容的に結構グロテスクだったらしいんだよね。これホントに『ジャンプ』に掲載されていたの?世の子どもたち、これを夢中で読んでるの??と、同居人の頭の中にはてなマークがいっぱいになったんだって。

今後、アニメ化や実写化も予定されているらしく、続編もあるみたいだから、やっぱり人気の漫画なんだろうなってことはわかるけど、大人たちあるいは社会から娯楽としてこれを与えられる子どもたちのことを考えると、ちょっと複雑な気持ちになったみたい。

もともと同居人は、映画でも『リング』みたいな、「貞子的な幽霊がでてくる呪われそうなホラー系の物語」はすごく苦手だけど、『ホステル』みたいな、「ひょっとしたらこの世にありそうなグロ系の洋風の物語」には、比較的耐性があって、漫画でも『進撃の巨人』とか『東京喰種』とか『キングダム』とか『鬼滅の刃』とか『呪術廻戦』とかも、それぞれ「グロい」とは思うけど「怖い」とは思わずに読めるんだって。それにしても、「愛」とか「冒険」とか「成長」とか「勇気」といった少年漫画の王道テーマにまぎれて、グロい描写のなんと多いこと!

こういう派手な刺激の強い漫画がたくさんあふれているのも、日本が平和だからなのかもしれないなと思うらしい。例えば、日本が今のアフガニスタン状態になって、毎日命や安全が脅かされていたら、「グロい」とかいってる場合じゃなくなると思うから。同居人いわく、「グロい」とか「エグい」という響きには、自分にはどこか関係ない客観的な冷めた視点を感じるんだって。この国は、子どもたちに「怖い」のかわりに「グロい」を提供しようとしているのだろうか?

そういえば先日、死んでいたセミを埋めようと思って羽を持ち上げたら、思いがけず軽くて、お腹側をみたら、胴体に大きく穴が空いていて他の虫に中身が食べつくされていたんだって。それは「グロい」光景?だけど、同時に「かわいそう」だとも思ったし、「このセミは生涯を全うできたのかな」とも思ったし、「弱肉強食の世界とはいえ、こんなふうに食べられるのは嫌だ」とも思ったし、「運命だとしても悲しいしさびしい」とも思ったし、何より「派手」じゃなくて「静か」だったんだって。

 

f:id:gobuichikun:20210828195013j:plain

眠いよ~。まだ寝ないにゃか?

f:id:gobuichikun:20210828195042j:plain

ねえねえ。もう寝ようよー。

f:id:gobuichikun:20210828195114j:plain

これからお昼寝させてもらいます!