夜中の3時、ふと目覚めた私。
床暖房のリビングに敷かれたぬくぬくの毛布から這い出して、
一路、向かうは同居人のいる寝室。
凍てつく廊下、
冷える肉球、
奪われる体温、
かすかに響く私の爪の音…
月明かりを頼りに、私のためにあけてある廊下の障子からするりと寝室に滑り込む。
リビングから寝室まで少しの距離なのに、
毛皮は限界まで冷え切って、
私の耳先も鼻先も冷たくなって、半分感覚がないくらい。
同居人のお布団の近くに歩み寄り、入れそうな隙間がないか素早く伺うと…
おぉ!今宵も素敵な隙間を発見!
そこからいそいそとお布団に潜り込むと、同居人の「あ…今日も冷えてるね」の声。
そう!冷えてるの!冷え切っているの!どうか早く、私を温めてください!
お布団の隙間がとじられたその瞬間、
頭の先からしっぽの先まで、
全身の毛穴から暖かい空気が染み込んでくる、この感じ♪
もう、ゴロゴロが止まらない。この幸せよ、永遠なれ…
お布団の中で、同居人の左手を探り当て、前歯でごく軽く指先を噛むと、
半分寝ぼけたまま、喉をくるくる撫でてくれるのを、私は知っている。
指があやうく止まりそうになったら、顔をたくさん指に擦り付けて、もっと!のアピール。
そうやって喉を撫でてもらいながら、いつの間にか左手を枕にして眠りに落ちる私。
左手にかすかな重みを感じながら、微睡む同居人。
お布団の中に、一匹と一人…小さな温もりを、大切に分かち合う。
夜明けはまだ先。
夜明けはまだ先。